Inside of my beain...

自分は誰なのか。そしてどの様な生き物で何を考えているのか。

薬味と一杯の蕎麦

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自宅近くにノスタルジックな蕎麦屋があり、暖簾には生蕎麦(きそば)の表記がある。

 

偶然入ったその蕎麦屋の蕎麦が気に入ったと言うよりも、そこの親父を気に入った。気に入ったなんて おこがましい話だがこの文の雰囲気を立たせるためだからお許し頂きたい。

 

ガラガラガラっと引き違いのドアを開けるとダイヤル式の古いラジオが流れる中、真冬なのにも関わらずTシャツ1枚、少しボサッとした白髪、手は少々震え気味の小柄なオヤジが長ネギを切っていた。

 

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いらっしゃい‥

 

しく震える声が僕と親父の交わした初めての言葉だった。

 

入る店を間違えたかな。そんな気持ちがよぎる中、一杯の蕎麦を頼んだ。

 

味音痴の僕、味はわからないから味の話は出来ないが、オヤジの人間味は最高に美味だった。

 

長ネギを独特な方法で切って行き、蕎麦屋だけはその長ネギを『薬味』というのだとか、ネギは万能薬になる事とか、色々な話をした。

 

店を後にし、年越し蕎麦をまた食べに来よう‥と。

 

そんな事を考えながら怒涛のような年末を過ごし、あまりの疲れに家に着くなりファンヒーターの前で横になったまま寝てしまい 足と腰を火傷した。

 

 

12/31は、夜9時にお店を開ける予定だったのだが、夜8時半頃 年越し蕎麦の事を思い出し、20分で店に戻ってこれるかどうか賭け自転車に飛び乗ってオヤジの蕎麦屋に向かった。

 

 

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ガラガラ‥ガラっと引き違いを開けて暖簾をよけるとオヤジのキラッキラした眼と僕の眼がぶつかった瞬間、『いらっしゃい、まってたよ』

 

 

このオヤジ、いい味だしてんなぁ〜

 

 

その日は年越し蕎麦に餅を入れてもらい、さらに卵でとじてもらった。

 

 

ぼくは、この40年続くオヤジの蕎麦屋が大好きだ。

 

 

5日からの初打ちらしいから、さっきも行ってきた。

 

 

何歳になろうとも、眼をキラッキラさせながら 誰かと話し喜んで貰える生き方も、なるほど美味なような気がする。

 

 

僕は決して、年金を貰いながら何もしない人生なんて人生は送らないだろう。

 

 

たぶん。

 

 

明日もオヤジの蕎麦屋に行こう。

 

 

GOTA